グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



HOME >  画像検査ブログ >  アニサキスをAIで発見

アニサキスをAIで発見


新年あけましておめでとうございます。小船井です。
まず、元日に発生した令和6年能登半島地震にて被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
東日本大震災の時とは違い、不謹慎と思わず自粛せずに「出来る支援をし、普段通りの生活を送る」ことも大切だと今回の災害で感じました。
1日も早い復興を祈念しております。

スカイロジックでは食品の異物検知をするためのAIを既に開発しています

アニサキスを入手→撮影するまで

今回はお客様から何件かお問い合わせいただいた”アニサキス”をAIで見つける検証を弊社で行ってみました。
そこで、まずは生きたアニサキスを入手するところから始まったのですが、思っていたよりも難しく。。(※)
市内のスーパーや魚屋さん何件も回ったり電話でお願いをさせていただきました。
年末のとっても忙しい時期に、いきなり知らない主婦から「AIでアニサキスを見つける実験をしたいので生きているアニサキスをくれませんか(ざっくりまとめると)」と変なお願いをされたにもかかわらず、ご協力してくださったスーパーがいくつかあり、ご協力いただいた鮮魚コーナーの方々にはとても感謝しています。ありがとうございました。

(※)
アニサキスは養殖魚にはついておらず、冷凍品だと居ても死んでしまっているためNG。
秋鮭ならよくついているそうなのですがちょうどこの時期には出回っていない。
年末の時期は漁に出ていないのでアニサキスがついている可能性の高い鮮魚自体あまり入ってこないみたいでした。

ゆっくりと動くコンベア上でAIアニサキスの検査を行い、検出したらブザーを鳴らしてコンベアを停止させる運用を想定して装置を組み立てました。

アニサキスは特定の波長の紫外線に反応して光るため、紫外域のLED光源や特定の波長を通すフィルターを使用します。

画像処理では光学的な操作によってアニサキスを見つけやすい画像を撮影することも重要です。

アニサキスが画像に映りやすいようライトとフィルターを使用

アニサキスをAIに覚えさせ検出させるまで

  1. 入手した数匹のアニサキスをサバの切り身の上に置いて、
    アニサキスを置く場所と角度を変えながら撮影

  2. 100枚程度撮影をして、アニサキスを矩形で囲んだら(アノテーション作業)学習ボタンをポチ

  3. 完成した学習データを使い、実際にコンベア上にサバの切り身を流して
    アニサキスを検出するか実験

このように、決まった形や色、大きさではない異物混入に対して非常に有効であるため、食品関連の現場でとてもお役に立てるのではないでしょうか。

生きたアニサキスなので形を変えてカメラの下を通過しますが、アニサキス検出率はほぼ100%でした。
今回サンプル品(アニサキス)が多くはなかったので、もっとサンプル数と学習データを増やせば更に精度はあがると思われます。

もちろん、検出したい異物は一種類だけでなく、一度に何種類も学習させ検出することが可能です。

AI機能付きのEasyInspector2で不良や異物を検出


「食品」という自分たちに身近だけど今までの画像処理では難しかった現場で、AIの力でお困りごとを解決できることができたら嬉しいです。
お気軽に是非お問い合わせくださいませ。

(2024.1.10)